大人のバレエ ちょっとウラ事情 私がバレエをやめた理由 [後編]
私が所属していたスタジオは、掛け持ちなどを禁止しておらず、大っぴらに「○○のオープンクラスは……」と言う会話も日常茶飯事でした。
本番が近づくにつれ、私は少しでもレッスンをしたくて、職場から近いオープンクラスに行くことにし ...
12章 Forever and ever -心の雲-
エドが突然の風に驚いてリビンングの方を見ると、レイがバルコニーの手すりに手をかけ下を覗き込むようにしていた。
次の瞬間、彼は弾かれたようにレイに駆け寄り彼女の腕を取ると、部屋の中へ引き入れ、窓をぴしゃりと閉めた。
12章 Forever and ever -灰色の空-
エドのアパートは、グランドセントラル駅から歩いて数分のところにあった。まだ新しいその高層アパートは、ドアマンが常駐する高級アパートメントだった。
レイはタクシーを降りると、少し躊躇する様にそこに立ち止まった。エドは、レイを ...
大人のバレエ ちょっとウラ事情 私がバレエをやめた理由 [前編]
私がバレエをやめたのは、もう5年くらい前でしょうか?大好きだったバレエ、80歳まで踊りたいと思っていたバレエ。けれど、私はやめてしまいました。
決して、バレエが嫌になったのではありません。私が嫌になったのは人間関係でした。 ...
12章 Forever and ever -帰る場所-
ドアをノックする音のあと、パトリックが遠慮がちに
「いいか?」と言いながら、ドアを開けた。
エドは、腕を緩めるとレイの肩を抱き寄せたまま、パトリックの方を向いた。
「ああ、大丈夫だよ」
...
12章 Forever and ever -再会-
アンが出て行くと、レイは緊張した面持ちで、ベッドの隅に腰掛けた。本当に、彼が?と未だに信じられない気持ちだった。あんなに会いたいと願っていたのに、今は彼と会う事が怖くてたまらなかった。
クリスティが自殺を図ったあの日が、レ ...
12章 Forever and ever -願い-
着替えるから、と部屋を追い出されたパトリックが外の空気を吸いに外に出ると携帯電話が鳴った。エドだ。
「パトリック?今戻ったから、これから出るよ」
「ああ、わかった。じゃあ病院の前のカフェで会おう。ローラの事で色 ...
11章 So far so close -混乱-
パトリックは椅子をレイの前に置くとそこに腰掛けた。「ローラ、彼は……、エドは今、ニューヨークにいるんだよ」と話を切り出した。
その言葉に、レイの心臓がどきりと音を立てた。そして、ゆっくりと顔を上げると、強ばった表情でパトリ ...
11章 So far so close -希望-
翌日の午後、再びパトリックが病院を訪ねると、担当医が慌てた様子でパトリックを呼び止めた。
「バークレーさんを見ていませんか?」
顔色を変えて聞く彼に、パトリックは不安な表情をしながら
「いや……、今 ...
11章 So far so close -覚醒-
パトリックが病院を尋ねると、レイの担当医が彼を呼び止めた。
「実は昨日の夕方、意識が一旦戻ったんですが……」
その言葉にパトリックは安堵の表情を浮かべて
「目を覚ましたんですか?」と聞くと、彼は言い ...