12章 Forever and ever -心の雲-
エドが突然の風に驚いてリビンングの方を見ると、レイがバルコニーの手すりに手をかけ下を覗き込むようにしていた。
次の瞬間、彼は弾かれたようにレイに駆け寄り彼女の腕を取ると、部屋の中へ引き入れ、窓をぴしゃりと閉めた。
12章 Forever and ever -灰色の空-
エドのアパートは、グランドセントラル駅から歩いて数分のところにあった。まだ新しいその高層アパートは、ドアマンが常駐する高級アパートメントだった。
レイはタクシーを降りると、少し躊躇する様にそこに立ち止まった。エドは、レイを ...
12章 Forever and ever -帰る場所-
ドアをノックする音のあと、パトリックが遠慮がちに
「いいか?」と言いながら、ドアを開けた。
エドは、腕を緩めるとレイの肩を抱き寄せたまま、パトリックの方を向いた。
「ああ、大丈夫だよ」
...
12章 Forever and ever -再会-
アンが出て行くと、レイは緊張した面持ちで、ベッドの隅に腰掛けた。本当に、彼が?と未だに信じられない気持ちだった。あんなに会いたいと願っていたのに、今は彼と会う事が怖くてたまらなかった。
クリスティが自殺を図ったあの日が、レ ...
12章 Forever and ever -願い-
着替えるから、と部屋を追い出されたパトリックが外の空気を吸いに外に出ると携帯電話が鳴った。エドだ。
「パトリック?今戻ったから、これから出るよ」
「ああ、わかった。じゃあ病院の前のカフェで会おう。ローラの事で色 ...