もうひとつのジゼルの物語-東京編-,3章 KINGS

日曜の午後、ジェイが『CLOSED』の札が扉にかけられた店内でアーロンと遅めの昼食をとっていると、ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。ジェイが無視を決め込んでいると、

「ジェイ!いるんでしょ、私よ」と声がした。 ...

もうひとつのジゼルの物語-東京編-,3章 KINGS

デジタル・ウエーブ・インターナショナルからほど近いところに、KINGSはあった。周りには小さなショップが建ち並ぶ、ちょっと小洒落た一角だ。

そこは金曜と土曜しか営業しておらず、経営者であるジェイムズ・メイヤー(ジェイ)の知 ...