13章 Christy 3 -願い-
エドが部屋に戻ると、玄関にレイの靴がきちんと揃えて置かれていた。
「レイ、来ているのか?」
エドが部屋の奥に呼びかけると、レイがリビングの扉を開けて顔を出した。
「おかえりなさい。……ごめんなさい、 ...
13章 Christy 2 -暗雲-
「レイ、あなたによ」
千夏が、電話を保留にしながら言った。
「私に?誰から?」不思議そうにレイが聞いた。
外線でレイ宛に電話が掛かって来るなど、殆どないからだ。
「名前を聞いたんだけど、とに ...
13章 Christy 1 -婚約者-
午後6時半を少し過ぎた頃、KINGSの扉が開いた。
「あらエド、珍しいわね。こんな早い時間に来るなんて」
ジェイが、氷を削る手を止めて言った。
「出張明けくらいはね」
エドは、上着を脱いで入り口近くのク ...