11章 ノエル

乾杯が終わると、皆、思い思いに談笑したり用意された料理や飲み物を楽しみ始めた。レイとエドもツリーの下に包みを置くと、皆と楽しげに話しをしたりしている。普段とは違ってフォーマルな雰囲気なので、いつもはふざけている彼らも少しばかり立ち居振 ...

11章 ノエル

招待客の殆どがそろった頃、アトリエから店へ降りてきたジェイが
「レイ、エドは?」と聞いた。
「ぎりぎり間に合うって言っていたから、そろそろ来るんじゃないかしら?遅れるなら連絡があるはずだから」
「大丈夫かしら? ...

11章 ノエル

「今日は、午後のレッスンで終わりね」
「そうね。終ったら、さっさと片付けて店に行かなくちゃ」
カフェで昼食を済ませたレイと千夏が、今夜のパーティーについて話しながら、オフィスに戻って来た。

「始まるのは8時 ...

11章 ノエル

3時を少し過ぎた頃、千夏が息を切らせながらカフェに入ってきた。

「ゴメン、ゴメン。ちょっと出遅れちゃって」
そう言って席に座ると、やって来たウェイターにカプチーノを注文した。

「で、何なのよジェイ。外の ...

11章 ノエル

11月も半ば、色づいた街路樹の殆どは舞い落ち、秋も終わり冬がそこまでやって来ていることを告げていた。土曜の午後、レイはジェイと2人、カフェの窓際に座っていた。

「へえ、そんなことがあったの」
ジェイが驚いて言った。 ...